オリジナルをカセットテープに録音したものを持っているのですが、音の劣化が激しいのと、数々のドキュメンタリー作品を手掛けておられる、森達也氏が書かれた「放送禁止歌」という本を読んで、放送禁止扱いになった曲を、また、集めてみたいという気持ちになり(一時期、フォークソングへの興味や深夜ラジオの影響などもあって夢中になった事がある)、CD化している事を知り、今回購入しました。
テープの方の劣化問題があったので、手に入れることが出来て嬉しい気持ちもありますが、正直、内容の出来に関しては、及第点をつけることは出来ません。
このアルバムの趣旨は無知や無理解、<臭いものには蓋を>式の理不尽な考え方のまかり通りで、放送禁止に追いやられてしまった歌に陽の目をみせる事でしょう!そういう精神で作られているはずなのに、オリジナルにはあった「くそくらえ節」、「ガイコツの唄」、「戦争の親玉」、「手紙」、「性と文化の革命」、「いくいくお花ちゃん」などが除外になってる事実。
たしかにそれぞれの曲には収録出来ない訳が様々存在するのでしょう。
しかし・・・
だとしたら、この「うた・復権=はみだし歌番組=」のCD化自体失敗だってのでは・・・と、言いすぎかもしれませんが、考えてしまうのです。
<放送禁止扱いにされてしまった歌を復権させる>という、オリジナル盤にあった趣旨を欠いてるものを、復刻と称して出したことになる。 だったら、別タイトルをつけて、復刻盤としてではなく、オリジナルCDを作るべきだったんじゃないのか・・・そんな風に思うのです。
批判めいた事を書いてしまいましたが、良い見方をすれば、「放送禁止歌」の存在自体、まったく知らない人にも聴いて欲しいアルバムだと重います。