一方で、小学校のテストで8,9割を切るような中位以下の学力の子の親が読んでも、果たして参考になるでしょうか。著者らは、そういう子供をほぼ念頭に置いていないと思います。
例えば、100マス計算では学力は上がらないという指摘があります。100マス計算や公文はそもそも、小学生レベルの計算すらまともにできず授業意欲が崩壊したまま中学に進んでしまうような落ちこぼれを限り無くなくし、意欲の乏しい子供の勉強への取り組みを高める、一斉授業に規律と活性をもたらすところに意義があります。優秀な子供の集まる空間では、やる意味はない、というのは一理あります(ただ、100マス計算は、受験時にも計算速度を高く維持するには有用だと思うのですが)。
その意味で、この本は、ある程度のレベル以上の意欲を既に持っている子供を持つ親にとっての実践テクニックを書いた本です。目から鱗の記述もありますので、ぜひ一読することをお勧めします。
正直、何気なく買った本でした。著者のこともほとんど知りませんでした。でも、何かに惹かれるように買った、そんな感じでした。
自宅に帰り、某有名塾の本について書いた本を読み、その後同ジャンルの塾の選び方のような本を読み、三番目にこの本を読みました。
読み進めるうちに今までの本とは全然違うものを感じ始めました。そして、わたしの子育てへの考え方をグンと変えるきっかけになったキーワードにめぐり会えたのです。まさに「めぐり合えた」という表現が一番正しいと思える言葉でした。著者のことはあまり知りませんが、このキーワードを自覚しているかしていないかで随分と子育ては変わることを身をもって感じています。