東京都港区で進学塾を開く塾長さんが書いた中学受験のための本です。2部構成になっていて、
第1部は、子供のやる気を引き出したり、ミスをなくすため、実際に著者が行っている具体的な方法や手法を、
第2部では、物覚えの悪い子、極度に緊張する子、三兄弟の末っ子等、
子供や親のタイプ別に過去の教え子たちの実例を紹介しながら、その傾向と対策を披露しています。
新版の初版が1994年と10年余前なので、イラストや装丁等でやや古さを感じたものの、
子供たちに超過密スケジュールを課す多くの進学塾に一石を投じる著者の経験に裏打ちされた教育者としての自信を感じました。
中学受験を考えつつ、大手進学塾の過密スケジュールには不安を感じているという親御さんに、
「こういう塾もある」ということと、
中学受験の合格だけが「目的ではない」ということを認識できるという点で、一読の価値がある本だと思います。