SAPIXが市販している「ぴぐまりおん」国語・算数シリーズをみれば、SAPIXの追究する読解力・思考力・表現力のレベルの高さが半端でないことがわかる。この本では高度な問題例も採り上げて思考力や表現力の大切さを述べている。もっとも、採り上げている問題例を見ても、子供に求めるレベルはかなり高く(御三家レベル)、アドバイスについても、大部分の小学生を持つ家庭がすぐに実践に生かすにはやや抽象的であいまいな感がある。SAPIXが求める思考力・表現力は、手っとり早い速効策ではなく、一見遠回りでも地道な教育的家庭環境の積み重ねの先にあるということかもしれない。
本書に掲載されている「SAPIXの推薦図書」は、難度は高いながらバランスよくセレクトされており、万人にお勧めである。これらの良書を読み込むようなレベルになれれば、中学受験も各科目かなり楽だと思う。小学生がこれらの推薦図書を読めるだけの読書力に達するにはそれなりの積み重ねが必要だけれども。